前提として、取得条件を満たしていれば派遣社員でも産休育休をとる権利があります。
また妊娠を理由に契約解除することもできません。
妊娠でのつわりなどの体調不良でも派遣先は契約解除は違反！
（筆者も悪阻がひどかったので、正直それを理由に契約解除はありえません！）
しかし取得条件を誤ってしまうと取り損ねたり、
まだまだ派遣先・派遣元の妊娠への理解が乏しいがゆえに、
産休育休をとれなかった実態もあります。
今回は産休育休を取りたいあなたに絶対損してほしくないので対策法を解説していきますね。
元大手派遣営業担当として、
派遣社員さんの産休育休取得はたくさん向き合ってきました！
派遣の産休育休とれなかった！取得条件とは
産前・育休とは
◆産休（産前・産後休業）
産前休業
出産予定日の 6 週間前、多胎（双子以上）の場合は 14 週間前以）取得することができます。
ただ取得するかは任意です。
任意とはいえど妊娠後期は身体の負担も大きいので、
あまりギリギリまで無理しないでほしいです
産後休業
意思の診断がない限り出産の翌日から8週間は働くことができません。
産後の身体は想像以上にダメージを受けてますし、
睡眠不足や授乳トラブルもあるので無理は禁物です。
◆育児休業
原則として子供が1歳になるまで（1歳の誕生日の前日まで）の期間、休業が認められます。
（2回まで分割取得可能！2022年10月~）
しかし保育所に預けれなかったなどの理由がある場合は最大2歳まで延長することができます。
また2022年10月から産後パパ育休という制度も始まり、
パパでも子供の出生後8週間以内に4週まで取得可能となりました。
（2回まで分割取得が可能）
参考：厚生労働省 育児・介護休業法改正 のポイント
①産休前までの派遣契約が必要
派遣社員は、産前休暇を出産予定日の6週間前派遣契約中（多胎の場合は14週間前に）であることが条件となります。
ここがかなりポイントでこれまでと同様、
派遣の更新はどんな時に急に終了になるか分かりません。
もちろん妊娠を理由にした契約解除はNGですが、
派遣先側の業績悪化や体制変更など妊娠以外の理由で急な更新が見送られることもあります。
そのため産休ギリギリまで気が抜けないんですよね。
②子供が1歳6カ月になる日までに労働契約の満了が明らかでないこと
いわば産後も働く意思があるかがポイントです。
ここの規則は派遣会社の就業規則を必ず確認しておきましょう。
③週に3日以上働いていること
週２で働いていた方は特に注意しましょう。
月のシフト勤務や扶養で働いている方など
実態と照らし合わせて条件に入るか派遣会社に相談しましょう。
④同じ派遣会社の雇用が継続して1年以上あること（法改正で一部緩和）
こちらは一部2022年4月の法改正で緩和されました。
本来は同じ派遣会社に1年以上継続雇用されてないと入れませんでしたので、
念のためは確認してくださいね。
派遣の産休育休とれなかった！回避する５つの方法
- 派遣会社の営業担当を味方につける
- 担当営業の上司にも相談しておく
- 長期派遣の仕事を必ず選ぶ
- 体調不良以外は真面目に仕事をする
- 無期雇用派遣を選ぶ
派遣会社の営業担当を味方につける
妊娠中は急なトラブルや体調不良、検診など様々な配慮事項があります。
まだ『安定期までは派遣先に言いたくない・・』といった場合でも
できるだけ派遣会社の営業担当には相談しておくべきでしょう。
もし状況をわかっていれば、
万が一派遣先から『なんかA子さん最近体調不良が多いんだよね・・更新見送ろうかな』といった話があっても、
産休までの道筋をイメージして交渉してくれます。
担当営業の上司にも相談しておく
産休までの派遣先とのトラブルって実は多いんです。
でもそんなときに若すぎる営業担当や、対応不足の営業担当にすべてを任せるには危険です。
もしもの時のために営業担当の上司にも相談しておくことも策です。
上司の連絡先は派遣契約書に記載されていますよ。
長期派遣の仕事を必ず選ぶ
プロジェクト派遣や、産育休代替派遣（派遣先の正社員の代替）は期間が決まっています。
そのためあなたが産休まで継続したくても、
上記の理由で契約終了になってしまいます。
目的があって期間限定の仕事に就くのは良いですが、
計画的な妊活であればできる限り長期派遣を選ぶべきです。
無期雇用派遣を選ぶ
無期雇用派遣であれば急な派遣契約終了があっても、派遣元の雇用が続きます。
産休までの残り期間を、
ほかの期間限定の派遣求人でつないでくれたり、
自社でいったん働いてもらうなどの対応を取ってくれることがあります。
教育体制が整った大手派遣会社を選ぶ
小さい派遣会社などは体制が整っていないケースがあります。
そもそも妊娠やママの働き方に関する最低限の知識やトラブル対応力がない派遣会社は、
選ばないほうがいいです。
いくら権利があったと言えども、
法律の重要性をしっかり守って対応してれる力量と体制がないと守れるものも守れません。
大手派遣会社であれば必ず研修を受けてますし、
特に妊娠に関する派遣トラブルの対応はきちんと向き合ってくれますよ。
派遣の産休育休とれなかった！知っておきたい手当・給付金
取得条件を満たせば３つの給付金がもらえるので
対象の場合はもれなく申請してくださいね。
出産育児一時金
1児につき50万円が支給されます！※2023年12月現在
なので双子なら100万支給されることになりますね。
（ただこの出産育児一時金は、出産時の費用にほとんどが充てられるので実質手持ちにはならないです・・）
参照：全国健康保険協会 子どもが生まれたときは出産育児一時金が受けられます。
出産手当金
1日にあたりおおよそ標準報酬日額の3/2の金額が支給されますよ。
（標準報酬日額は、給与明細の厚生年金保険料から逆算して算出できます）
被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日（実際の出産が予定日後のときは出産予定日）以前42日（多胎妊娠の場合98日）から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。出産日は出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます
全国健康保険協会：出産で会社を休んだとき
ちなみに筆者は、1回目の振り込みはおおよそ出産から3か月後でした（笑）
なので計画的なお金管理と、必要な書類提出などが漏れが無いように注意しましょう！
育児休業給付金
もらえる額は以下です。
育休開始から
- 180日までは育休前の賃金の67％
- 181日以降は50％
なので育休期間が長ければ長いほどだんだんシビアになってきますね。。。
ただ後述する社会保険料は免除なので、実質8割程度支給されますよ。
こちらの記事が分かりやすかったので是非参考にしてください！
対象条件
雇用保険に1年以上加入&過去2年間のうち雇用保険に加入しながら11日以上働いた月が12カ月以上ある
社会保険料の免除
育休中は社会保険（健康保険・厚生年金保険）は０になります！
ちなみに筆者はおおよ1年半ほど産育休取得したので、
復帰年の住民税は0円でした☆（給付金は給与扱いではないですからね）
派遣の産休育休とれなかった！おすすめの大手派遣会社
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出産祝い金５万円もらえるのはアデコだけ！
アデコの場合は母子手帳の出生日の時点で、アデコで1年以上雇用保険に加入している人が、申請を行った時点でも継続して雇用保険に加入している場合、5万円の出産祝い金を支給しています。
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派遣の産休育休とれなかった！よくある質問
つわりで勤怠不良になり契約が切られそうですが違法ですか？
違法です。
派遣会社に掛け合っても契約解除されそうな場合は、
労働局に相談することも視野にいれましょう。
いくら体調不良とはいえ、
あきらかに妊娠が原因であるならで契約解除はできないんです。
（ご本人が契約終了を希望しない限り）
参考：厚生労働省：（ケース１）妊娠を理由に解雇するのは禁止！… 体調が悪くて休む場合も禁止です …
筆者も派遣営業の時に派遣先とよくバトってきました（笑）！
派遣先は勤怠不良で労務提供できていないじゃないか！と申し出てくることがあるんです。。
でも妊娠を理由に契約解除する場合は派遣先にも責任が問われますので、
もっと妊娠のつわりにも理解が広がってほしいですよね。
復帰後は同じ産休前の派遣先に戻れるんですか？
残念ながら確約できません。
もちろん派遣会社が打診してくれる可能性はありますが、
あなたが産休中にもほかの派遣スタッフさんでは枠が埋まっていることが多いです。
そのため新たに派遣会社に時短OKや子育てに理解のある派遣先を紹介してもらうケースが多いです。
産休育休が取れない派遣会社ってあるんですか？
理解不足や対応不足により、結果取れなかったケースはあります。
本来条件を満たせばどの派遣社員も取得できますが、
その重要性や整備が整っていない中小派遣会社は取らせてもらえないこともあるんです。
なのでやっぱり大手派遣会社での登録をお勧めします。
（大手であれば研修も受けておりますし、
妊娠による更新トラブルは重要事項として対応してます）
まとめ：派遣は産休育休取れなかったとならないために大手登録一択！
産休育休は条件を満たしていれば全員取れるんです。
そのため派遣会社の就業規則を必ず確認してほしいのと、
産休までなんとか派遣契約がもらえうようにしっかり派遣会社に対応してもらいましょう。
